一日中パソコンに向かっていると、気づけば肩甲骨のまわりが石のように固まっていることはないでしょうか。
お風呂で温まって布団に入ったはずなのに、身体の奥がずっしりと重たいまま眠りにつけない夜も少なくありません。
これは気合や根性が足りないせいではなく、同じ姿勢を何時間も取り続けたことで、特定の筋肉だけが縮こまったまま固定されてしまっているからです。
筋肉は伸びた状態と縮んだ状態を交互に繰り返すことで血の巡りを保っていますが、デスクワークはその片方だけを何時間もキープし続ける、身体にとってかなり特殊な状態なのです。
今回は、寝る前のわずかな時間でその偏りをほどく、3つの具体的な動きを紐解いてみませんか。
肩甲骨を寄せて、縮んだ胸を開く
パソコンやスマートフォンを見る姿勢は、腕を前に出して肩を内側に巻き込む形になるため、胸の筋肉が縮み、背中側の筋肉が伸びきったまま何時間も固定されてしまいます。
やり方はシンプルで、仰向けに寝転がったまま両手を軽く広げ、肩甲骨だけを布団に押しつけるようなイメージで、左右の肩甲骨をぐっと真ん中に寄せてみてください。
このとき、縮こまっていた胸の筋肉がゆっくりと引き伸ばされ、代わりに伸びきっていた背中側の筋肉がふわりと緩んでいく感覚があるはずです。
10秒ほどキープしたらゆっくり力を抜くという動きを3回ほど繰り返すだけで、一日中前に丸まっていた上半身が、少しずつ本来の位置へと戻っていきます。
片膝を立てて、股関節の奥をほどく
座り続けることで一番影響を受けるのは、実は太ももの付け根から背骨をつなぐ、身体の深い場所にある筋肉です。
この筋肉は椅子に座っている間ずっと縮んだ状態が続くため、立ち上がったときに腰から下がなんとなく突っ張ったように感じる原因になります。
布団の上で片方の膝を立て、もう片方の脚を後ろに引くようにして、腰をゆっくりと前に押し出してみてください。
太ももの付け根の奥がじんわりと伸びていく感覚があれば、それが一日中縮み続けていた深い筋肉がようやくほどけているサインです。
仰向けのまま、背骨をゆっくりねじる
長時間同じ向きで座り続けると、背骨を支える筋肉も片側だけに負担が偏り、左右のバランスが崩れたまま固まってしまいます。
仰向けに寝たまま両膝を立て、そのまま膝を揃えてゆっくりと左右どちらかに倒し、背骨をやさしくねじってみてください。
無理に大きく倒す必要はなく、腰の骨がひとつずつ順番にほどけていくような、ごくゆるやかな動きで十分です。
反対側も同じように行うことで、一日中偏っていた背骨まわりの緊張が、左右均等にリセットされていきます。
今夜は、3つの動きで一日の姿勢をリセットしてみませんか
デスクワークによる身体のこわばりは、特別な道具や激しい運動がなくても、寝る前の数分だけで十分にほどくことができます。
今夜は布団に入る前に、胸を開き、股関節をほどき、背骨をねじるという3つの動きを、それぞれ深呼吸を添えながらゆっくり行ってみるのはいかがでしょうか。
一日中同じ形のまま固まっていた筋肉が少しずつ本来の柔らかさを取り戻していくにつれて、身体の重だるさもゆっくりと和らいでいきます。
物理的なこわばりがほどけていくと、それに引きずられるように、頭の中の忙しさも自然と静まっていくのではないでしょうか。