夜ベッドに入った途端、急に頭の中が慌ただしくなることはないでしょうか。
昼間は気にも留めていなかったはずの「あのときの余計な一言」や「明日の段取り」が暗闇の中で次々と湧き出し、一人で反省会を始めてしまって目が冴えてしまうことがあります。
そんなときに思い出したいのが、あの一休さんの「気にしない、気にしない」という言葉です。
今回は、布団に入ってから頭の中でぐるぐる回ってしまう考え事を止め、余計な思考をさっさと切り捨てて朝まで心地よく休むための工夫を紐解いてみませんか。
夜に浮かぶ悩みは、脳が見せている「錯覚」に過ぎない
夜、暗闇の中でぐるぐる考えてしまう悩みというのは、実は問題そのものが深刻なのではありません。
疲れ切った脳が「疲労感」を「不安」と勘違いして、勝手に深刻なストーリーを作り上げているだけです。
昼間なら「まあいいか」と流せる小さな引っかかりが、夜になると巨大な問題に見えてしまうのは、脳の判断機能が物理的に誤作動を起こしているからです。
つまり、夜に出てくる反省や焦りというのは、解くべき課題ではなく、単なる「脳のバグ」に過ぎません。
「気にしない」とは、夜の自分を端から信用しないこと
一休さんの言う「気にしない」というのは、無理に気持ちを切り替えることではありません。
「夜の自分が考えていることは、全部ウソだ」と割り切って、思考そのものを相手にしないことです。
どれほど深刻そうな顔をして悩みが持ち上がってきても、「お前は疲れて暴走しているだけだ」とスルーしてあげること。
「今夜のところは、夜の自分の言うことは一切信用しない」と決めてしまうことこそが、脳の暴走を止める一番の近道になります。
思考のループを打ち切り、体をただの「肉体」に戻す工夫
頭の中の暴走を止め、朝まで静かに休むためには、頭を使うのをやめて身体をただの「肉体」として横たえるのが一番です。
暗闇の中で目や耳から余計な情報が入らないよう、視界に入るものをただの暗がりにしておくこと。
身に付けるものは、縫い目やゴムの締め付けといった引っかかりがなく、ただ皮膚を覆うだけの摩擦のない一枚を選んでおくこと。
「どう解決するか」を考えるのをやめて、背中が布団に沈んでいる重みや、呼吸で上下するお腹の動きだけに意識を置いておくこと。
考えようとするのを諦めて身体をただそこに置いておけば、脳は勝手に諦めて眠りへと落ちていきます。
今夜は夜の自分を無視して、そのまま横になる
「早く考え事をやめなきゃ」と焦るのもやめにして、今夜はただ「気にしない、気にしない」と心でつぶやきながら、頭の中の声を放置してみるのはいかがでしょうか。
何を考えても「まあ、夜の戯言(たわごと)だから明日考えよう」と棚上げしてしまう潔さ。
身体を締め付けない服の中で、ただ横になっているだけの心地よさ。
夜の自分の誤作動に付き合わずにそのまま目を閉じるとき、私たちはきっと、朝まで途切れない静かな時間を過ごせるはずです。