秋の夜長、ねっとり甘い蜜芋やホクホクの焼き芋を味わう時間は、心まで満たされる至福のひとときです。
夕食後やお風呂上がりに美味しくいただいたものの、いざ布団に入るとお腹がパンパンにふくらんで圧迫感があり、「なんだか息が浅くてリラックスできない」と感じる夜はないでしょうか。
「食べすぎて胃がもたれているのかな」と思いがちですが、実はこれ、さつまいもに豊富に含まれる食物繊維がお腹の中で膨らみ、横になった姿勢で横隔膜を押し上げている物理的な影響です。
今回は、焼き芋を堪能した夜に起きる「お腹のふくらみと浅い呼吸」のカラクリと、身体の力みをほどいて朝まで心地よく休むための具体的な工夫を紐解いてみませんか。
膨らんだお腹が「横隔膜」を押し上げ、息の通り道を狭くする
さつまいもは豊富な食物繊維と水分を含んでいるため、胃や腸の中でゆっくりと時間をかけて消化されていきます。
さらにお腹の中でガスや水分を抱え込んでふっくらと膨らむ性質があるため、食べたあとしばらくはお腹全体が内側から満ち満ちた状態が続きます。
この状態でベッドに横になると、膨らんだ胃腸が物理的に上方へと移動し、胸とお腹を隔てている「横隔膜」を下方から圧迫してしまいます。
息を吸ったときに横隔膜が下に滑らかに下がれなくなるため、胸だけで浅く浅く息を吐くことになり、自分でも気づかないうちに身体が緊張モードに入ってしまうのです。
浅い呼吸は、自律神経を「警戒モード」に引き戻してしまう
人間が深い睡眠に入るためには、深くゆっくりとした呼吸によって副交感神経を高め、身体のスイッチを「休息モード」へ切り替える必要があります。
しかし、お腹の圧迫感によって呼吸が浅く速くなっていると、脳は「息がしづらい=身体が危機的状況にある」と勘違いして自律神経の警戒レベルを上げてしまいます。
「身体は疲れているのに、胸のあたりがそわそわして眠れない」「なんとなく寝返りを繰り返してしまう」という状態は、気持ちが落ち着かないのではなく、浅い呼吸が脳へ警戒信号を送り続けている物理的な結果です。
お腹のふくらみそのものを無理に消そうとするのではなく、横隔膜が動きやすい姿勢と環境を作ってあげることが大切になります。
膨らんだお腹を圧迫せず、スムーズな呼吸を取り戻す工夫
焼き芋を楽しんだ夜に、お腹の圧迫感を和らげて自然な深い呼吸へ着地するには、お腹まわりの物理的な締め付けを一切なくし、息の通り道を広げてあげることが大切です。
就寝時は仰向けで突っ張る感じがある場合、少し膝を曲げて抱き枕などを挟み、お腹の皮膚と筋肉のツッパリをゆるめてあげること。
みぞおちやウエスト、下腹部を少しでも締め付けるようなゴムや帯のある服は避け、お腹がどんなに膨らんでも生地が優しく逃げてくれるゆったりとした仕立てを選ぶこと。
お腹周りを冷やすと腸の動きが停滞して余計に圧迫感が増すため、体熱を優しく閉じ込める通気性と保温性の良い素材で包んであげること。
身体の外側からの圧迫をゼロにしてあげることで、横隔膜は滑らかに動き出し、胸の奥までスーッと深い息が通るようになっていきます。
今夜はお腹の張りを責めず、ゆったりと息を吐き出す
旬の味覚を美味しく味わったあとは、「食べすぎちゃったな」と自分を責めるのをやめて、今夜はお腹のぬくもりにそっと手を当てて深呼吸してみるのはいかがでしょうか。
ウエストを締め付けない服の中で、お腹がふっくらと自然なカタチのまま守られている安心感。
息を吐くたびに胸や肩の力がフッと抜け、浅かった呼吸がゆっくりと深くなっていく心地よさ。
お腹も身体も締め付けから解放して横になるとき、私たちはきっと、秋の夜長に引き込まれるような静かで気持ちの良い時間を過ごせるはずです。