蒸し暑い夏の日、冷たいジュースやアイス、キンキンに冷えたお茶を何度も口にしてしまうことはないでしょうか。
「身体が冷えて気持ちいい」と感じる一方で、夜ベッドに入ったときにお腹が重たく張っていたり、身体の奥に嫌な熱っぽさが残ってなかなか寝付けなかったりすることがあります。
その原因は、冷たいものの摂りすぎによって、お腹の中の臓器が直接冷やされてしまう「内臓冷え」にあります。
今回は、冷たい飲み物と夜の睡眠の意外な関係から、内臓をいたわってぐっすり休むための簡単な知恵を紐解いてみませんか。
お腹が冷えると、身体は「熱を逃がすスイッチ」を閉じてしまう
私たちがスムーズに眠りにつくためには、手や足の先から体内の熱を外へ逃がし、身体の奥の温度を下げる必要があります。
しかし、冷たいものを一気に飲んで胃や腸がキンキンに冷えてしまうと、身体は「大切な内臓を守らなければ」と危機感を感じてしまいます。
すると、身体は内臓を温め直すために血液を身体の中心部ばかりに集め、手足の先へと届く放熱用のルートをギュッと閉ざしてしまうのです。
手足から熱が逃げていかなくなるため、身体の奥に嫌な熱っぽさがこもり続け、ベッドに入っても脳が休まる準備が整わなくなってしまいます。
胃腸の動きが鈍くなり、夜になっても身体が休まらない
冷たいものが大量に入ってくると、胃や腸の筋肉がキュッと縮こまり、消化するための動きがガクンと鈍くなってしまいます。
食べたものが胃の中に長くとどまることで、お腹が張ったり重たく感じたりするだけでなく、身体は寝ている間も胃腸を動かそうと働き続けなければなりません。
本来なら眠っている間にしっかり休まるはずの身体が、一晩中内臓のリカバリー作業に追われてしまうことになります。
この胃腸の疲れと不快感が、夜中に何度も目が覚めてしまう「浅い眠り」を引き起こす隠れた原因になるのです。
眠る前の「常温の一杯」で、冷えたお腹を内側から包み込む
夏の夜にぐっすり眠るためのコツは、冷たくなった胃腸を優しく温めて、手足からの放熱ラインを再び開いてあげることです。
お風呂上がりや寝る直前に飲み物を飲むときは、冷蔵庫から出してすぐのものではなく、常温のお水や温かい白湯を一口ずつ飲んでみましょう。
温かい水分が胃に届くことで、縮こまっていたお腹の血管がじんわりとほぐれ、身体の中心に集まりすぎていた血液が再び手足の先へと流れ始めます。
お腹を内側から安心させてあげることで、身体の放熱スイッチが正しく入り、スムーズな入眠へとつながっていきます。
今夜は温かい一杯で胃腸を緩め、身体の奥から穏やかに休む
一日の終わりに、暑いからと冷たいものを胃に流し込み続けるのをやめて、今夜は傷ついたお腹を優しくリセットしてあげる時間にしてみるのはいかがでしょうか。
常温のお水を一口ゆっくりと飲み、冷えていたお腹の奥がじんわりと温まっていくのを感じる時間です。
胃の張りがやわらぎ、手足の先へと血液が巡って熱が抜けていく心地よさ。
内臓の強張りがほどけていくにつれて、一日中頑張った心と身体の緊張は自然と凪いでいきます。
身体の内側から満ちていく安心感に身を預けていくとき、私たちは自然と、深い休息の時間へと優しく引き込まれていくのではないでしょうか。