寝苦しい夏の夜、頭が熱くて眠れないからとおでこに冷却シートを貼ったり、氷枕を敷いたりすることはないでしょうか。
「冷たくて気持ちいいけれど、身体の奥の熱っぽさがなかなか抜けない」と感じるのには、ちゃんとした理由があります。
実は、身体の熱を効率よく逃がしてぐっすり眠るためには、冷やすべき「お決まりのポイント」が存在するからです。
今回は、冷えピタや氷枕の正しい当て方と、身体の熱をスムーズに引き算するための簡単な雑学を紐解いてみませんか。
おでこの冷却シートは「気分を和らげる」ためのもの
熱っぽいときにまず貼りたくなるおでこの冷却シートですが、実はおでこを冷やすだけでは身体の奥の温度(深部体温)を下げる効果はそれほど大きくありません。
おでこのシートの本当の役割は、冷たさの刺激によって脳に「気持ちいい」という感覚を送り、高ぶった気分を落ち着かせることです。
身体全体の熱を逃がすというよりは、熱さによる不快感やモヤモヤを和らげるための「リラックスアイテム」として使うのが正解です。
身体の奥にこもった熱をしっかりと逃がしたいときは、別のポイントを冷やしてあげる必要があります。
本当の放熱スイッチは「手のひら」と「足の裏」にある
身体の熱を一番効率よく外へ逃がしてくれるのは、実は「手のひら」や「足の裏」にある特別な血管です。
ここには、体の温度を調整するための「熱を逃がす専用のパイプ」が通っており、ここを適度に冷やすことで体内の熱が一気に外へと抜けていきます。
冷えたペットボトルを手のひらで握ったり、冷やしたタオルを足の裏に軽く当てたりするだけで、身体の奥の熱がすうっと下がりやすくなります。
意外な場所にあるこの放熱スイッチを知っておくだけで、寝苦しい夜の快適さがガラリと変わります。
太い血管が通る「首の後ろ」や「太ももの付け根」を冷やす
もうひとつの正解ポイントは、たくさんの血液が一度に通り抜ける「太い血管がある場所」です。
具体的には、首の後ろや脇の下、太ももの付け根などがこれに当たります。
ここに氷枕や冷たいタオルを優しく当ててあげると、そこを通る大量の血液が冷やされ、冷やされた血液が全身を巡ることで効率よく体温が下がっていきます。
冷たすぎる氷を直接当て続けると皮膚がびっくりしてしまうため、薄いタオルなどを1枚挟んで、優しく心地よい冷たさを届けてあげるのがコツです。
今夜は正しいポイントを冷やして、身体の奥から涼しく休む
一日の終わりに、ただおでこを冷やすだけで熱をごまかそうとするのをやめて、今夜は身体の放熱スイッチを正しく押してあげるケアを試してみるのはいかがでしょうか。
手のひらや首の後ろに優しい冷たさを当て、身体の奥に溜まった嫌な熱がゆっくりと抜けていくのを感じる時間です。
身体の芯のほてりが静まり、手足の先からスーッと余分な熱が逃げていく心地よさ。
体温が穏やかに下がっていくにつれて、一日中頑張った身体の強張りは自然と凪いでいきます。
ひんやりとした快適さに身を預けていくとき、私たちは自然と、深い休息の時間へと優しく引き込まれていくのではないでしょうか。